自衛隊って規律が厳しくて日々肩身が狭い思いしながら生活しているっていうイメージありませんか?
先日の教育隊の記事をご覧になった方は特にそういうイメージをもってしまったかもしれません。
しかし、教育隊を卒業してしまえば実際はそうでもなかったりします。
今回は、教育隊を卒業してから術科学校への入隊し、どんな一日を送るのかを説明していきたいと思います。
また、前回に引き続き私が17年前に自衛隊に勤務していた時の話になりますので、現在は違っている事もあるかもしれませんが、予めご了承ください。
航空自衛隊の一日と生活
自衛隊に入隊したらまずは教育隊というところに配属されてそこでみっちりと自衛隊としての基礎を学ぶことになるのですが、教育隊を卒業すると次は術科学校という部隊に配属されることになります。
術科学校とは?
術科学校とは、自分が選択した職種(私は防空任務に携わる高射操作)について専門的に勉強する部隊です。
正確には航空教育集団第一術科学校になります。
職種によって教育期間は変わります。
私が選択した高射操作は1か月ほどだったかと思います。
術科学校がある部隊
私が選択した高射操作の術科学校は静岡県浜松市にある浜松基地にあります。
浜松市は静岡県の中でもかなり都会よりの町で、駅回りは大変栄えていました。
浜松基地自体もとても大きな基地です。
パイロットの養成訓練所もこの浜松基地にあります。
基地内では実際に練習機が離着陸する姿を間近でみることができます。
また、航空警戒団という偵察を任務とした部隊もコチラで、更には中部航空音楽隊という自衛隊なのに合奏をメインとして行う部隊もコチラにあります。
私が第一希望で選択していた航空機整備士の術科学校も浜松基地です。
術科学校での生活
教育隊で徹底的に厳しくされてきたからか、術科学校ではかなり緩くなりました。
体を酷使するような厳しい訓練はほとんどなく、基本的には座学とそれに伴った実技がメインになります。
教官も教育隊のような罵声を放つ方は一人もおらず、座学も学校のような雰囲気です。
本当にただ勉強をしているだけといった感じです。
体育訓練はありましたがこれも学校のような体育で球技や長距離走、水泳などを行いました。
とはいえ術科学校卒業前に体力テストもありますので自主的にトレーニングもしないといけません。
部屋は4人1部屋となり、ロッカーとベットが1つずつ割り当てられた状態ですが、教育隊のようにロッカー内の物の置き方や毎日アイロンがかかった作業服だとかを指摘されることもありません。あんまりシワシワすぎると怒られますが。
浜松基地は基地自体が広いので、食堂も広く、浴場も泳げるぐらい広いです。
食事は急かされることもありませんし、お風呂も課業後なら消灯までなら好きなタイミングで好きなだけ入れます。
基地内には書店やコンビニどころか、居酒屋のような店まであります。
教育隊ではお菓子は一切禁止、飲み物もスポーツドリンクか水のみ許可されていましたが、そんな制限もありません。小腹がすいたらコンビニでおにぎりおっけいです。
コンビニに関しては朝7時から夜23時まで開いています。
このように、術科学校での生活は教育隊に比べてかなり緩くなっていると言えます。
むしろ緩くなりすぎて拍子抜けした同僚もたくさんいました笑
術科学校での外出
術科学校からは門限が21時までになり、平日でも外出してもよくなります。外泊はまだできなかったかと思います。
また、浜松市自体が栄えているのもあり、遊べるところがたくさんあるので休日はほぼ全員外出しています。
お酒に関しては翌日が休日の場合のみ許可されていました。
教育隊ではお金を使わずに貯金してきたのに浜松基地にきて貯金を全部使い果たす同僚がでてきたのは言うまでもありません…笑
術科学校でのWAF(女性自衛官)との関係
教育隊では全く別の場所で訓練していたのでWAFの方とはほとんど接点がありませんでしたが、術科学校からは座学や実技もWAFの方と一緒です。
なので自然と接点も増えます。私はほとんど喋りませんでしたが汗
ちなみに体育訓練の水泳でも一緒でした。以下略とします。
宿舎はWAF専用隊舎があります。多分いい匂いがします。
もちろん男子禁制です。
術科学校を卒業
教育期間を終了すると卒業となり、地方の部隊に配属されます。
術科学校でも試験があり、成績によって順位付けされます。
順位が高いほど希望する勤務地に行きやすくなります。
私が選択した高射操作は基地防空が主な任務となりますので滑走路があるような大きな基地には必ず存在します。
尚且つ日本の大きな都市の回りに配置されます。まず攻撃を受けるとしたら大きな都市がターゲットにされますからね。
大きな基地の回りには基地の隊員狙いの男性が好きそうなお店が多く存在するのもあるからか、大抵はみんな大きな基地を希望します。
私は実家に近い基地を希望しましたが、勉強があまりできなかったのもあって希望は通らず、実家からは少し離れた基地へ配属が決まりました。
ガックリしていましたが、教官いわく、
「どこにいっても住めば都だ」
だそうです。
ただ、術科学校で気が緩んでいる私達に対して、
「お前ら、このまま部隊いったら痛い目みるぞ」
とも言われました汗
こうして、私は正式に基地に配属されることとなり、自衛官として国防に携わることになります。
番外編:航空自衛隊 浜松広報館「エアーパーク」
浜松基地にはエアーパークという、鉄道博物館の航空自衛隊版のような展示場を無料で見学することができます。
こちらには歴代のブルーインパルスを初めとした航空自衛隊の様々な兵器の展示や、フライトシミュレーターや全方位シアターなどを体験することができます。
また、自衛隊の隊員が実際に着用している制服などの試着しての記念撮影や、10月頃には航空祭が開催され、展示飛行が行われます。
航空自衛隊に興味ある方なら大興奮間違いなしなので近くを通った際は寄ってみてはいかがでしょうか。
最後に
今回は術科学校について説明させてもらいました。
最初の教育隊さえ耐えればハッキリ言うと楽勝です。
今回の記事を読んで自衛隊へのイメージが変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自衛隊を考えている方へ参考になりましたら幸いです。