高校生の方は早い方なら1年生のうちから卒業後の進路を意識されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私はというと高校では勉強に全くついていけなくなり、親にも大学進学したいならそれなりに有名な大学じゃないと学費は出さないと言われていました。
そんな私が大学に進学せずに航空自衛隊を選んだ理由をお話します。
高卒で航空自衛隊に入隊した理由
そもそも大学ってなぜいくのでしょうか?
大学卒業という学歴は就職に置いても有効ですが、今や学歴だけでは個人の能力は測れない時代になってきています。
なので大学に進学したいなら将来どうありたいかという明確なビジョンを持ち合わせていなければ大学に進学するのは学費がもったいないと私は思いました。
ましてや私のように高校の勉強に全然ついていけず、成績も下から数えた方が早いような学力でいける大学など行く意味がないと感じました。
そこで私が知ったのが航空自衛隊への入隊です。
高校入試レベルの学力でも入隊できる
自衛隊への入隊も学力テストと健康診断で判断されます。
体力テスト等はありません。
入隊するとまずは教育隊に配属され、そこで自衛隊としての基礎をみっちり仕込まれます。
この教育隊の中にもいくつか種類があります。
- 自衛官候補生
- 一般曹候補生
- 航空学生
- 防衛大学校学生
他にも色々ありますが、大きくわけるとこの4つです。
自衛官候補生
任期制の自衛官。
階級が空士長止まりで空曹に昇任するには厳しい昇任試験に合格する事が必要。
試験に合格できなければ任期満了を迎え次第除隊。
一般曹候補生
空曹に昇任する事が約束された自衛官。
自衛官候補生に比べ募集人数が少なく、倍率も高いため合格しずらい。
航空学生
教育課程を満了した後パイロットになれる自衛官。
パイロットになると階級も空尉になる。
募集人数もかなり少なく、有名大学並に難易度が高い。
防衛大学
難易度でいえば東大クラス。
卒業次第幹部任命が約束されている。
大学卒業の学歴も履歴書に書ける。
階級序列
空士→空曹→空尉→空佐→空将→幕僚長
自衛官候補生以外の3つは入試も大学入試レベルの学力が必要とされます。
しかし、自衛官候補生だけは入試が高校入試レベルの内容ですので中学校の勉強がそれなりにできていれば入隊できるので合格しやすいです。
航空機整備士になりたい
私が知人に昔航空自衛隊に勤めていたと話すと、
「え?!パイロットやったん?凄いなー」
と言われます。
パイロットには憧れていましたが残念ながら違います笑
航空自衛隊というからには航空機のパイロットが連想されるのは至極当然なのですが、その航空機1機を飛ばすにもたくさんの隊員が働いています。
航空機を整備する為の航空機整備士。
航空機がが積む装備を用意する装備係(仮称)。
航空機を滑走路に誘導するための誘導係。
航空機の離着陸を支援するための航空管制官。
領空侵犯してくる航空機を警戒する警戒管制官。
隊員のお給料などを管理する総務・会計班。
これらすべての隊員の食事を用意する炊事班。
ざっとあげただけでもこれだけの職種があります。
私はというと昔から航空機系の映画をみたりゲームで遊んだりするのが好きでしたので、航空機に携わる仕事がしたいと思ったのもあり、航空機整備士になりたいと思って航空自衛隊への入隊を決めました。
しかしなりたい職種に必ずなれるというわけではなく、教育隊において適正診断があり、適正の有無で判断されるので適正がないとなれば希望する職種には就けません。
私はもちろん第一希望に航空機整備士を希望していて、体力には自信があって教育隊ではそれなりにいい成績を残しており、上官にも「お前なら第一希望は固い」と言われていたので第二希望以降は適当に書いていたのですが、まさかの航空機整備士の適正なしと判断され、第二希望に書いていた「高射操作」という職業に就きました。
高射操作とは、日本の領空を守る防空任務に携わる職種になります。
訓練しながら給料がもらえる
高校卒業してから自衛隊に入隊した瞬間、新兵といえど自衛官であることは変わりないので、しっかりお給料がもらえます。
将来やりたいこともなくなんとなくで大学へ進学して数百万というお金を親に負担させ、特に得ることもなくただ大学卒業という学歴を得る。
そんな事をするぐらいなら自衛隊でやりたい職業を目指して訓練するほうが経済的でよっぽど親孝行ではないでしょうか。
私はその初任給でゴールデンウィークに帰省した際に親と外食にいきました。
衣・食・住すべてついてくる
さすがに下着などは自分で用意しないといけませんが、基地内の普段着として作業服が支給されますし、時間になれば食堂にいけば食事も用意されていますし、住居は結婚していなければ寮生活です。
給料はそこまで多くはないですが、いただいたお給料を1円も使わずとも生活する事も可能です。
私の同期には3年で800万貯めた方もいました。
各種免許や資格も無料でとることができる
輸送班などの車をよく運転する職種なら大型運転免許や牽引車の免許も優先的にとらせてもらえるようです。
職種によりますが他にも危険物取扱者や各種無線技士や情報処理技術者など。
除隊しても就職に有効な免許が無料でとれるのもメリットですね。
番外編:ホントに色んな人がいる
自衛隊はみんな高卒で入隊しているわけではありません。
なぜなら私が入隊した自衛官候補生の募集年齢は18歳~33歳未満だからです。
自衛隊らしく、日本が好きで日本の国防のために入隊した人ももちろんいますし、定職につかずに毎日ダラダラ過ごしている自分に喝をいれるためだとか、貯金や借金返済が目的だとか、私のように自衛隊でやりたい仕事があるとか様々です。
見た目もヒョロっとしてて風吹いたら飛んでいきそうなガリガリの人もいれば、太ももぐらいの太さの二の腕をもったムッキムキの人までいましたね。
仕事に関していえば自衛隊じゃないとできない仕事もたくさんあります。
非常にやりがいのある訓練も色々あります。
しかし訓練なので笑ったりしたら怒られますしろくに睡眠もとれずに暴風雨の中でも雪が積もる中でも泣き言なんて言えません。
国民の税金使って訓練してるわけですからヘラヘラしてたら怒られるのは当然です。
さいごに
今回は私が高卒で航空自衛隊に入隊した理由について書かせてもらいました。
結局やりたい職業に就けなかったのもあり、理由はこれだけではありませんが私は自衛隊を3年ほどで辞めてしまいました。
しかし自衛隊に入ったことに関しては全く後悔はしていません。
同級生が大学で彼女作ったりして遊んでるのを聞いて羨ましいと思ったこともありましたが、たった3年とはいえ心身共に凄く鍛えられました。
大学進学に頭を抱えてる高校生や今を変えたいと考えている方、自衛隊を検討してみてはいかがでしょうか?